モミガライトについて

モミガライトとは?

お⽶から⽣まれたまったく新しい次世代の固形燃料モミガライト

廃棄物となるもみ殻を有効活用した
モミガライト

国内で、年間約200万トン発⽣するもみ殻。そのうちの35%にあたる70万トンは廃棄処分・焼却処分されています。
焼却処分の際には悪臭が発⽣するなどの問題から、⾃治体から⾃粛や勧告、焼却期間を設けられるなど処分⾃体も年々難しいものとなっています。

もみ殻からバイオマス燃料を製造する、グラインドミルという機械によりすり潰し・圧縮成形をすることで固形化。今まで難しいとされていたもみ殻の再利⽤が可能となりました。

廃棄されるもみ殻を利⽤するため、薪を作る際の森林伐採などが必要なく環境にも優しい「バイオマス燃料」として注⽬を浴びています。


また固形化の際、接着剤などは⼀切使⽤していないこと、燃焼の際の⼆酸化炭素をおさえるなどクリーンな燃料であることも「モミガライト」の魅⼒の⼀つです。

巡る モミガライトのサイクル

もみ殻から⽣まれ変わったモミガライトは、燃焼後も再利⽤が可能です。
秋の収穫を終えたもみ殻はモミガライトとして燃料に。燃焼後は家庭菜園やガーデニング、畑の肥料だけではなく、苗床作りにも活⽤する事ができます。

モミガライトの特徴

01 ⻑い燃焼時間

モミガライトは「比重(密度)」がとても高いため、
ゆっくりと燃焼し火持ちもいいとされています。

比重が高く高級とされる樹種の薪1㎏と比較しても

●モミガライト 1.20g/cm3
●薪 0.67g/cm3

とモミガライトの密度の高さがお分かりいだけると思います。

また、燃える力=熱量(kcal)で比較しても

●モミガライト 4,000kcal/kg
●薪 3,380kcal/kg

とモミガライトの方が高い熱量を発するというデータも出ています。

また、モミガライトは1本1本「均一的」に乾燥しているので、いつも安定した熱量を放出します。

様々な点からモミガライトはコストパフォーマンスに優れた燃料と言えるのです。

モミガライトと薪1kgの比較表

熱量密度燃焼時間コスト
モミガライト4,000kcal1.20g/cm390分50~70円
3,380kcal0.67g/cm330分80~100円
熱量 密度 燃焼時間 コスト
モミガライト 4,000kcal 1.20g/cm3 90分 50~70円
3,380kcal 0.67g/cm3 30分 80~100円

02 ⻑期間の保存

モミガライトは製造の工程で高熱が発生するため高温殺菌をされた状態になり、虫や菌の繁殖などの保管の際の心配事を減らすことが出来ます。

モミガライトは湿気にも強く、雨に当たらない室内であれば約10年の保存も可能です。

もみ殻を約10分の1に圧縮しているので、保存スペースも、もみ殻に比べると少ない面積で貯蔵することができます。

各燃料の保存方法と保存期間

保存方法保存期間
モミガライト水に濡れない室内であれば条件問わず10年
灯油長期保存は難しいポリタンクに入れて3ヶ月
カセットボンベ高温多湿を避ける7年
保存方法 保存期間
モミガライト 水に濡れない室内であれば条件問わず 10年
灯油 長期保存は難しい ポリタンクに入れて3ヶ月
カセットボンベ 高温多湿を避ける 7年

03 再利⽤が可能

燃焼を終えたモミガライトは、そのままの形で灰化されます。

灰には植物の細胞強化の働きをするケイ酸を多く含んでいるため、土壌改良材として畑やガーデニングの土に撒いて還元することができます。

⼟壌改良の肥料として

燃焼を終えたモミガライトは、そのままの形で灰化されますが、植物の細胞強化の働きをするケイ素(シリカ)を多く含んでいるため撒く事で土壌改良の肥料として畑やガーデニングの土に還元することができます。

ケイ素(シリカ)は、ヒトの健康にも重要とされる必須ミネラル成分で、作物においては耐病虫害性などを高めると言われています。

ケイ素(シリカ)には、細胞の活性化や土壌pHを中和し、さまざまな病気を誘発する活性酸素を除去する働きがあり、自然なバランスを整え、土壌環境を安定させることが出来ます。

もみ殻の成分分布

籾殻には約80wt%のセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの有機物と約20wt%の無機質が含まれている。

20wt%の無機質のうち、90%近くは非晶質シリカである[1]。残りはアルミニウム、カリウム、ナトリウムなどの化合物が含まれている[2, 3]

籾殻の比重は約0.1で、有機質、無機質の含有率の範囲は稲の種類、気候、地域により、乾燥籾殻中71~87wt%のセルロース、リグニンなどの有機質と13~29 wt%のシリカ、 酸化カリウムなどの無機質が含まれている。

より詳しくは、有機質には、セルロース34.3~43.8 wt%、ヘミセルロース(Pentosans) 16.9~22.0 wt%、リグニン(Fiber) 31.7~49.9 wt%、蛋白質(Crude proteins) 1.7~7.3 wt%、脂肪(Crude fat) 0.4~3.0 wt%、無機質(Ash) 13.2~29.0 wt%、水分2.4~11.4 wt%含まれている。

無機質には表1に示したようなシリカ、酸化カリウムなどが含まれ、特にシリカが90wt%程度含まれているのが大きな特色である。

土壌や肥料(ケイ酸肥料)中のシリカは、潅漑水や肥料中のカリウムなどのアルカリイオンと反応し、オルトケイ酸イオンやメタケイ酸イオンなどの水溶性の形で根を通して稲植物に取り込まれる。
取り込まれたケイ素により、植物の生物的および非生物的ストレスを軽減できる。

[1] B.O. Juliano, Rice Hull and Rice Straw (Chapter 19), in: B.O. Juliano (Ed.), Rice: Chemistry and Technology, the American Association of Cereal Chemists Incorporated, St Paul, MN, 1985, pp. 689-755.

[2]  中田ら, 籾殻からのSiO2の製造及びその性状, 日本セラミックス協会論文誌 97 (1989) 842-49.

[3] T. Okutani et al., Crystalline silica in compressed rice hull coke ash, J. Met. Mater. Min. 28 (2018) 30-38.

以上のことから、もみ殻から作られたモミガライトは、燃焼後も有効に再利用でき、土壌改良の肥料として畑やガーデニングの土に撒いて還元することができるのです。